【岡】 8画 山(5) 2級
同字【堽】1級
[音] | コウ |
[訓] | おか |
《意味》
【岡】おか
【岡(っ)引】おかっぴき
江戸時代、諸役人の手先となって犯人の探索・逮捕を助けた私的な使用人。おかひき。めあかし。
「おか」は「傍」で、側にいて手びきをする意。
【岡惚れ】おかぼれ
「傍惚れ」とも書く。
【岡目八目】おかめはちもく
当事者よりも傍観者のほうが、物事の善し悪しや利・不利を正確に判断できること。
他人の打っている囲碁をみている者は、対局者より八目先の手まで読めるということから。
「傍目八目」とも書く。
【岡持(ち)】おかもち
浅いおけに手とふたをつけたもの。料理屋などで料理を入れた皿などを運ぶときに使う。
【岡焼(き)】おかやき
自分に直接かかわりがないのに、他の男女が仲よくしているのをねたむこと。
「クリスマスイブに岡焼きする」
「おか焼き餅」の略。はたで焼き餅を焼くの意。
「傍焼き」とも書く。
【岡阜】こうふ
高い台地。丘阜。
【岡陵】こうりょう
高い台地。
「陵」は、山の尾根。
《字源》
「网(もう)(鋳型の形)+火(山の部分)」。
「岡」は鋳型を示す「网」に、火を加えてこれを焼成する意。
その鋳型を力で裂くことを「剛」という。「剛」は鋳型を裂き外す意象の字で、裂くのに刀を用いた。
その色は赤く、「岡」は赤土色の丘で、その色は焼土に近い。
《字体》
「岡」の上部「」は「罒」に略され、「山」は「止」と相互対応する(「歳」や「歩」の異体字と同様)ので、「」「」やさらに上部に山がつく異体字がある。
それらは、日本では『万葉集』などからすでに見られる字体で、近世初期ぐらいまで連綿と常用されているが、それ以降は徐々に見られなくなる。
「堽」はそれらから二次的に派生した異体字で、『康煕字典』に収録されているため、現在でもJIS収録されている。